2016年5月10日火曜日

このごろ。

生まれては死に、結ばれては千切れ、積み上げては崩れ去り。
ときどき生きることは、あんまり不条理で不毛にすら思われるから、人は人生に物語を求めたくなる。
生まれてきた理由や苦しみの意味を。
運命という名の特別な物語を。
それを語るのが、占い師の仕事なのかもしれない。
このごろは、そんな風に思いながら、ホロスコープを読んではお聞かせしたりしています。

このところ、ほかの活動でバタバタしがちで、ブログも放置したままになっていますが、望まれる方があればスケジュールを調整して時間を取り、常時鑑定を承っています。


2014年10月17日金曜日

公開ホロスコープリーディング★その2 『結婚するかどうか知りたい』 

ブログ上公開ホロスコープリーディング人生相談会に、多数のご応募ありがとうございました。今回は、ハンドルネームももさんからのご相談にお答えいたします。

『結婚するのかどうか知りたいです。仕事や趣味、やりたいことはすべてやってきました。仕事も安定しています。ただ、出逢いがあっても、結婚に結びつかない方ばかりです。結婚はしたい、子どもも欲しいし、お見合い登録、紹介など積極的に参加しましたが、自分はOKでも相手はOKにならなかったり、またその逆で相手はOKでも私はNOだったり。
40歳を過ぎたので、妊娠のリミットを考えると真剣に結婚を考えています。ことごとく結婚につながらないと、結婚自体、私には必要がないのかと思うこともあります。』(もも/40歳女性)


では、いつもお世話になっているマイ・アストロチャートにて、ももさんの出生時のホロスコープチャートを見てみましょう。

まず最初にお断りしておきますが、ももさんが『結婚するかどうか』の答えは、はっきり言ってわかりません。ホロスコープでは、あくまで持って生まれた傾向や方向性が示唆されるだけであって、実際の運命は、今を生きる本人の選択と学びの経過とともに創造されてゆくものだからです。

射手座の太陽が、月・海王星と重なりながら水瓶座の木星、天秤座の冥王星と小三角を形成。上昇宮も射手座。非常に精神性が豊かで、自由なイマジネーションと壮大なビジョンの持ち主です。さながら、理想のユートピアを追い求めて生きる永遠の旅人、といったイメージ。ただし、太陽・月・海王星が12ハウスに隠れていることから、そのような個性を前面に押し出すタイプではないよう。おそらく、ご自身の本質がときとして現実社会に適合しないこと、他者から理解されにくいことを無意識にわかっていて、豊かな内面世界を心に秘めることを選んで生きる人なのかもしれません。そんなあり方は、現実の日常生活のみに埋もれて生きることを厭い、定期的に非日常的世界へ飛び出す衝動と必要性を高めます。旅行が好きで、異文化との親和性や結びつきもかなり強いはず。また、世界に対する問題意識が高く、理想主義と相まって、国際的なボランティアや慈善活動に力を注がれる可能性も高いでしょう。

そして、本題の結婚運。婚姻を表す第七ハウスには、抑圧と障害の星・土星がドラゴンテールとともに暗い影を落としています。これまで結婚へ結びつくご縁に恵まれにくかったのも、そのひとつの表れといえるでしょう。また、この土星は、太陽・水星・海王星と150度の不調和な配置。モモさんご自身、あまりにも豊かな内面世界を心に秘め、無限の自由を愛するがゆえに、正面から他者と向き合い、心や人生のすべてをシェアすることに潜在的な抵抗があったのではないかと解釈できます。結婚や家庭といった一般的な幸福の形を望みながらも、心の底では、すべてを分かり合える人などいないのではないか、他人から干渉を受け、束縛されたくない、といった恐れや不安から、無意識に特定の人物との深いふれあいを回避してきたようにも、星からは見受けられるのです。

人生最大の慶事のひとつとして扱われる結婚は、イコール幸福というイメージでとらえられがちですが、実際には、結婚が人生最大の苦難の試練となる人もいるわけであり、そうでなくとも、多くの人にとって結婚生活は、大きな学びと成長をもたらす経験であることに違いはありません。結婚の部屋に土星をもつももさんは、まさにパートナーシップこそが、この人生で乗り越えるべきもっとも難易度の高い課題として与えられているのです。ご縁が結婚につながらない状況を、こうしてご自身の問題として向き合うことになったのも、しかるべきプロセスといえるでしょう。

これらの星の配置が物語る課題は、「結婚」という形式上のゴールではなく、「心を開いて他者と向き合い、想いをあまさず分かち合い、力を合わせて生きる」と決意すること、そんなパートナーたれる自分を目指すことにあります。そのレッスンをクリアできたときには、土星の力がポジティブな方向へ発揮され、深い信頼関係で結ばれた永続性のある絆が結ばれることになるでしょう。

また、結婚の座の土星は、天秤座の天王星と幸運角を形成しています。また、女性にとって「夫」を司る太陽は、前述の通り12ハウスに月、海王星とともに隠れています。具体的には、法的な「婚姻関係」にとらわれないパートシップの在り方、というのが、ひとつのキーになりそうです。そもそも、自由奔放な精神をもつモモさんにとって、結婚という形式にこだわることは、本来、らしくありません。お互いの自由を尊重し合う別居婚や、事実婚、内縁の関係。そんな、自分にとって少し逃げ道のある形態にも視野を広げたほうが、無意識の抵抗や負荷を減らせ、むしろパートナーシップが結ばれやすくなる利点もありそうです。

これらのアスペクトからもうひとつ示唆される可能性としては、自分よりも「あくまである意味で」弱者とされるパートナーとの縁。たとえば、何らかの障害や問題を抱えていたり、社会的に不遇な立場やマイノリティとされる立場にあったり、あるいは、年齢がかなり上の方だったり・・・。豊かで鋭敏な精神性をもつモモさんは、そのような外的条件や社会的偏見に惑わされることなく、相手の内に潜む崇高な人間性や生き方を見抜き、その人を支えて生きることに深い喜びと幸福を見出す可能性があるのです。

女性の場合、どうしても妊娠出産のタイムリミットがあり、年齢的に焦る気持ちもよくわかります。が、焦りながら結婚という「形」を追いかけることは、逆に、ももさんが本来求めるべきリベラルで不定形なパートナーシップとはかけ離れていくという皮肉な状況を招きかねないのです。どうぞご自身の心に向き合って、その大切な想いを分かち合える相手、人生の喜びも苦しみも余さずシェアできる相手、命をかけて支えてゆきたいと思える相手を、その澄んだ心の目で探してください。

今年の夏から2015年春ごろ、あるいは2016年秋~2017年ごろにかけて、そんなご縁がありそうです。

2014年10月13日月曜日

星読みと語学

占い以外の活動として、ここ数年は、通訳や翻訳の業務に従事する機会が多い。
私の場合、かつて通訳の仕事をしたいと思ったことはなかったし、申し訳ないことに、そのための特別な学習や訓練も受けていない。十年以上前、たまたまある知人の代役を頼まれたのがご縁で、以来主に紹介や口コミで、通訳、翻訳、コーディネーターのご依頼が増えていったという、ありがたいお話である。

占いと通訳は、一見まったく異なるジャンルの仕事のように思われるかもしれない。
が、私のなかでは本質的な部分でかなり近しい作業である。

通訳や翻訳は、まず対象となる言語の基本をしっかりと身に着けることが先決である。一方で、実際の作業において、いかに母国語のベースが肝心であるかは、仕事のたびに痛感させられる事実である。外国語の会話能力と、通訳能力とは、まったく別のスキルである、というのもそういう理由。いくら言葉の意味が理解できても、その意図やニュアンスまで適切に母国語に変換し、表現する語彙や文法力が乏しければ、クライアントにわかる形で伝えられないのである。

ホロスコープリーディングでも、同じことが言える。惑星、星座、ハウス、アスペクトにはそれぞれボキャブラリーがあり、それを読み解く文法がある。まずはその基本をしっかりと覚えなければならない。しかし、いくらそれらを学んでも、なかなかホロスコープが読めるようにならない、という方も多い。つまり、断片的に意味はわかっても、私たちが生きる現実世界の具体的事象に翻訳できない状態がこれにあたる。

ホロスコープリーディングにおいては、現世での経験や見聞きする出来事が母国語であり、その経験値が高いほど、解釈と表現の語彙が増える。占いには人生経験が大切だ、といわれるのもその所以である。生身の人の心や現実の事象を、自分なりにであれ理解できなくては、星の配置を解説できる由もないのだ。

また、ホロスコープチャートが語る断片的要素が、全体としていったいどのような人格、あるいは事象を表現しているのかを理解するのは、通訳においてクライアントが外国語で話す言葉が、全体としていったいどのような意図と想いで語られているのかを理解することと近い。それは、単純に言葉から言葉へと意味を変換する作業を超えている。

それこそ言葉で説明するのは難しいが、そこには発言者(チャート)が語る言葉を超えたエッセンスを感じ取るフィーリング、インスピレーションのようなものが確かに介在する。そのことによって、言葉はおのずと立体化し、言葉以上のメッセージを宿した真に伝わるリーディング/通訳となるのだ。

なかなかそうはいっても、語学も占星学も奥が深く難しい。ああ訳せばよかったかも、と後から思うことも多いし、年月を経て自分のなかで解釈が変わってゆくこともある。完璧には程遠いが、それだけに学びは尽きず、飽きが来ない。星も言葉も人生も、生涯勉強は続く。

2014年10月8日水曜日

心境の近況。

ブログ、一年以上ご無沙汰してしまっていました。
ここ数年、大きな変容の波にのまれていて、昨年ようやくたどり着いた岸部といえば、これまでと色調の異なる景色が広がる世界だった。

占い師のブログ、という性質上、以前は一応スピリチュアルな観点から書いている投稿が多かったのだけど、なんだかかつてとは立脚点の異なる場所に来てしまったようで、以前のような観念的な視点とか発想が、今の自分には薄れてしまった。それで、書くことが思いつかなくなっていた。

よりあっち側の世界へ行ってしまったのかというと、むしろ逆で、非常に地に足の着いた、日常的で生活臭漂うレベルに暮らしている。愛することと食べることを基本に、しばしば望まれた役割を果たしては、自然と向き合い土にまみれ、本来の自分に近いペースで気持ちよく生きている。表情も緩んだし、ついでに太った。

ある意味世俗的に過ぎて、精神性から遠ざかっていくようで、曲がりなりにも本業占い師としてこの方向で良いのかしらと戸惑うこともあったけれど、むしろ、やっと肉体をもって生きる自分の現場に戻ってきたのかもしれない、と思うようになったこの頃。観念的に表現すれば、精神的な変容が、肉体レベルに統合された、着地した、ともいえるのかな。

私は、金銭と物質を司る牡牛座生まれなのだが、ここにきて自分が牡牛座に生まれた意味というか使命のようなものに、ふいに思い至っている。
しょせん、霞を食って生きるようなタイプを目指すのではなくて、自他の肉体を喜ばせ、思いを物質化し、お金を循環させて、本当の意味でより豊かな世界を実現していくことなのかもしれない。
肉体的なエネルギーが残っている間に、現世的な次元において、もっともっと気持ちよく、ときどき痛痒い感じに、歓喜と豊穣の世界を欲張りに生きて行こうと思う。

それでも、占星術は、私にとって一生切っても切れない宿縁のライフワーク。
ときには占い以外の仕事や活動のほうに重心が傾くこともあり、何が本業なのかわからなくなることもしばしばだが、それでも不思議と占いの仕事が途切れることはなく、私のなかではあらゆる経験が占星術の糧でもある。

占星術研究家ならば、ひたすらホロスコープと向き合っていればよいが、人の人生を読み解く占星術家である限り、その一番の仕事は、自分の人生をよく経験すること。様々な立場をや役割を生き、様々な人にふれ、より深く感じ、思い、考察しながら生きることだ。と思っている。言い訳も少し入っているけれど(笑)。

ブログを全然更新していないにもかかわらず、鑑定のお申込みをくださる方、特にリピーターの皆さま、いつもありがとうございます。個人鑑定は常時受け付けていますので、お役に立てるときにはいつでもご相談ください。

愛をこめて。






2013年7月15日月曜日

原初的母性への回帰。

ブログの更新を、と思いながら、月日が飛ぶように去ってはもう7月もなかば。
またまた長らくご無沙汰してしまい、ごめんなさい。
6月26日に木星が蟹座に入って、すでに三週間ほどが過ぎようとしてはいるが、今さらながら占星術的なお話など。

蟹座にとって木星は高揚の座にあたり、その発展的エネルギーをいっそう強く発揮する傾向があるとされているが、今回の木星in蟹座は、ほかの惑星との絡みがまた興味深い。

ひとつには、蠍座の土星、魚座の海王星と、グランドトリン的な幸運角。
蟹座の木星が司るところの、拡張する母性的エネルギー(蟹座の木星)が、DNAから伝わる土着の力・物質性(蠍座の土星)、無私であり慈悲に富んだ力・愛(海王星)とリンクし、非常に発展的な様相を描く。

イメージ的には、プリミティブな母性への回帰。

法的婚姻制度、宗教的戒律よりもずっとずっと古くから、そして根強く私たちの内に存在する、命を育み、慈しみ、引き継いでゆく母性の力。
魚座・海王星の無条件の愛と匿名性が絡むことからも、誰の子供であるとか、誰の責任であるとか、結婚するしないといった偏狭な条件づけ以前に、この世に生まれた万物の命を誰もが愛しみ、全体で育もうとする本能的な力。

木星が蟹座に滞在する今後約一年の間、子をもつ母親たちがますますパワーを発揮し、社会を動かしてゆくさらに大きな原動力となりそうなのはもちろん、出産ブームの到来とともに、未婚の母、高齢出産のさらなる増加、また、養子縁組、代理母といった制度が見直されたり、注目を集める可能性もあるだろう。
国家権力や国際経済云々よりも、目の前の命を育むこと、きょうの命をあすへつなげる安全な衣食住の確保、といった具体的な生きる力こそ優先される。

一方で、蟹座の木星は、牡羊座の天王星とは90度の凶角、山羊座の冥王星とは真っ向から対立する関係に。
これらの母性的エネルギーの拡大は、従来の権力体制や男性優位の封建的社会とは相容れず、熾烈な摩擦や衝突をも巻き起こしかねない。しかし、木星・土星・海王星の水のグランドトリンから想起されるしなやかな粘り強さは、おそらく最終的には従来のシステムを逆転させうることだろう。

蟹座に木星が入ってまもなく、フィギアスケート選手の安藤美姫さんが未婚での出産を発表したことは、まさに日本におけるシンボリックな出来事のように思われた。
封建的な一部の人々やメディアからバッシングを受けながらも、概ね彼女の決断を応援する人が多かったことに、時代の流れを、星の動きを感じつつ、彼女には母となってますます活躍してほしいと願う、までもなくおそらくそうなることだろう。

さて、そんな蟹座の木星、みなさんの人生には、どんな影響をもたらしてくれるでしょうか?



2013年3月6日水曜日

内側と外側。

人生に変化が訪れるときというのは、大きくわけてふたつのパターンがあるようだ。

1.自分自身が変えたい、変わりたいと望み、意志的に動くパターン。
2.望むと望まざるとに関わらず、不可抗力によって動かされるパターン。

西洋占星術的にいうと、1.の変化は主に太陽、月、水星、金星、火星といった内惑星の働きであり、2.のほうは天王星、海王星、冥王星といった外惑星が支配する領域となる。

しかし、いくら自分の意志で変わりたいと望んでも、外側の環境がまったく動かなかったら、やはり変化には限界がある。逆に、いくら外的環境が劇的に変化しても、自分自身の内面が変わらなければ、やはり本当の意味で人生が変わったとはいえない。

人生の大きな転機とは、そのきっかけが1であろうと2であろうと、結果的には両方の要素がリンクして働かなければ、訪れない。
結局は、内側も外側も、バラバラに見えてその実、我々の運命を対になって動かしている両輪のようなものであり、どちらかが先に動いたように見えても、実際は同じことなのだろう。

西洋占星術で、惑星同士が特定の角度を結ぶ瞬間を、現象や事件の発生と解釈するのも、そういう意味で興味深い。特に、事件の引き金となるのは、動きの早い月がアスペクトに絡んだときといわれている。月は、気分や感覚、情動を司る。

人を動かす要因は多々あるけれど、結局のところ、もっとも人の動機を左右するのは、意志よりも理屈よりも、実際、”気分”のように思われる。気分は、内面から来るもののように見えて同時に、実はもっとも外側の影響を受けやすい。自分の中の”なんとなく…”に素直に従ってみることが、変化を受け入れるもっとも適切な態度、といえるのかもしれない。


2012年11月16日金曜日

手放すということ。

「何かを手に入れるには、何かを手放さねばならない」
というのは、痛々しい幻想だ。
手放すことの意味は、喪失や代償ではなく、提供であり還元に過ぎない。
火が燃えて土を肥やし、土がその養分で樹木を育てるように、循環と流転のサイクルに身を明け渡すだけのこと。
そこに痛みを見出す必要などない。

私たちは欲しいものすべてを手に入れてよい。

その喜びのすべてを惜しみなく還元すればよい。